マウスピース矯正のメリット・デメリット!確認すべき10の項目について徹底解説
「歯並びの矯正」というと、口の中でギラギラ光る目立つ矯正具を使うイメージがあります。歯並びは治したいけれど、ギラギラ目立つのはイヤだな、とためらってしまう人もいるのではないでしょうか。
最近はワイヤーやマルチブラケットを使って矯正をするワイヤー矯正より、見た目が目立たないマウスピース矯正が増えてきています。
マウスピース矯正は、見た目のほかにも痛みが少ないなどのメリットがあります。
この記事では、最近人気のマウスピース矯正の主な特徴、メリット・デメリット、ワイヤー矯正との違いを紹介します。
マウスピース矯正を検討している方や、ワイヤー矯正との違いを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
マウスピース矯正とは
マウスピース矯正とは、透明なマウスピースを1日20時間以上装着し、段階に応じて新しいマウスピースに交換しながら少しずつ理想の歯並びにむかって歯を動かす矯正方法です。
従来から行われている金属のワイヤーやブラケットを利用した矯正がワイヤー矯正です。ここでは、マウスピース矯正とワイヤー矯正の違いについて説明します。
他の矯正方法との違いは?
矯正治療を受けるうえで気になる点として見た目、費用、痛みなどがあります。マウスピース矯正かワイヤー矯正かを選ぶとき、優先順位の高い項目を治療時のポイントとして以下のように比較しました。
マウスピース矯正はワイヤー矯正と比べたとき、見た目をはじめ、痛みや歯周病のリスクについても優位性があります。治したい歯並びに対してどの矯正方法が適しているかは、医師の診断が必要です。
まずは、カウンセリングを受けて、歯並びの状態を見てもらったうえで、矯正方法について相談してみましょう。
治療時の比較ポイント
治療方法 |
マウスピース矯正 |
ワイヤー矯正 |
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表側矯正 |
裏側矯正 |
ハーフリンガル矯正 |
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見た目 |
目立ちにくい |
目立つ |
目立ちにくい |
目立ちにくい |
費用 |
全体:60万円〜100万円 部分:10万円〜40万円 |
全体:60万円〜130万円 部分:30万円〜60万円 |
全体:100万円〜170万円 部分:40万円〜70万円 |
全体:80万円〜150万円 部分:35万円〜65万円 |
治療期間 |
2カ月~1年 |
2カ月~1年 |
5カ月~1年 |
5カ月~1年 |
通院頻度 |
1〜3カ月に1回 |
1カ月に1回 |
1カ月に1回 |
1カ月に1回 |
痛み |
少ない |
ある |
ある |
ある |
虫歯や歯周病のリスク |
低い |
高い |
低い |
高い |
マウスピース矯正とワイヤー矯正を組み合わせる矯正方法として「コンビネーション矯正」があります。
治療の前半は「裏側矯正」の特徴である歯の動かしやすさを活かして、いち早く理想的な歯並びへと治療を進めます。治療プログラムの 2/3 程度で「マウスピース矯正」に治療を切り替える矯正方法です。
食事のときなどには取り外せる「利便性」、透明で目立たない「審美性」といったマウスピース矯正の特長を取り入れ、治療の微調整を行うことで、金属のワイヤー・ブラケットの装着期間を短くできます。裏側矯正の利点とマウスピース矯正の利点を組み合わせ、両者のデメリットを補い合う治療といえます。
関連記事:マウスピース矯正とは?メリットやワイヤーとの金額の違いを紹介
マウスピース矯正のメリットとデメリット
マウスピース矯正はワイヤー矯正に比べて目立ちにくいという大きなメリットがある一方で、デメリットもあります。マウスピース矯正もワイヤー矯正もそれぞれメリット、デメリットがあり、どちらも一長一短です。
どちらを選んでも同じというわけではなく、矯正治療中に気を付けるべきことは大きく変わってくるため、矯正方法の選択は重要です。
ここでは、マウスピース矯正について、確認すべき項目を紹介します。
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マウスピース矯正のメリット
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マウスピース矯正のデメリット
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マウスピース矯正の流れ
マウスピース矯正について理解を深め、矯正方法を選ぶ際の参考にしてください。
マウスピース矯正のメリット
マウスピース矯正のおもなメリットは以下のとおりです。
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見た目が自然
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取り外しが可能
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痛みが少ない
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口腔内の健康を保ちやすい
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金属アレルギーの心配がない
マウスピース矯正は、矯正装具を装着していても目立ちにくく、自然な見た目が保てます。見た目の問題は、最大のメリットともいえるでしょう。
さらにマウスピース矯正の種類によっては、ホワイトニングが同時進行できる場合があります。その場合、矯正治療に使うマウスピースをホワイトニングにも使うことで、費用や期間が抑えられる可能性があります。
また、マウスピース矯正では、食事をとるときや、歯磨きのときは、自分でマウスピースを外して行うので矯正前と同じようにできます。しっかり歯磨きができるので口腔内の健康もよい状態を保てます。
ワイヤー矯正に比べて痛みが少ないところもうれしいポイントです。
マウスピースは、金属を一切使っていない素材のため、金属アレルギーの方でも矯正治療を受けることができます。
マウスピース矯正のデメリット
マウスピース矯正のおもなデメリットは以下のとおりです。
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自己管理が必要
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食事のたびに取り外す必要がある
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適用できる症例が限られる
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初期費用が高い場合がある
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紛失や破損のリスク
矯正装具を自分でつけはずしができるのはメリットでもある一方、つけ忘れがないようにすることや、洗浄といったケアを含め自己管理が必要です。
マウスピースをつけているときには、口に入れられるものは限られるため、食事のときは必ず取り外さなければなりません。食事のあとにマウスピースをつけるときには、歯磨きは必須です。軽食をとった後や食べ歩き、お菓子をつまむときなど歯磨きの手間が増えるため、間食しにくくなります。
マウスピース矯正は適応できない症例があることもデメリットのひとつです。
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と比べると初期費用が高くなりがちです。初期費用だけでなく、定期的な検診やマウスピースの作成費用も考慮する必要があります。
外出先で装着しているマウスピースを外したときに、うっかり忘れてしまったり捨ててしまったりすることもあります。また、マウスピースを最初に何十枚かまとめてクリニックから渡される場合も注意が必要です。紛失や破損のないようにしっかり保管しなければなりません。
マウスピース矯正の流れ
マウスピース矯正は、最初にクリニックに出向いたときには、カウンセリングを受けてから検査を行い、契約に進むのが一般的です。どのように治療が進んでいくのか、治療の流れを紹介します。
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カウンセリング
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精密検査
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歯型採取
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治療計画立案(シミュレーション作成)
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マウスピース製作
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治療開始
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治療完了(保定期間の開始)
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カウンセリング
現在の歯並びの悩みや疑問、治療によってどのような歯並びになりたいかを医師がヒアリングします。このときに、矯正方法の選択肢があるのか、費用や治療期間の目安などを確認します。
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精密検査
医師が矯正治療の計画を策定するために、レントゲン撮影、歯並びの写真撮影で口腔内の状態を検査します。虫歯や歯周病に罹患していないか、矯正治療が可能な状態かも確認してくれます。
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歯型採取
歯型を採取します。歯型採取の方法は、デジタルスキャンと印象材を用いた方法の2種類です。
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治療計画立案(シミュレーション作成)
精密検査と採取した歯型など集めた資料をもとに、医師が治療計画を立ててくれます。
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マウスピース製作
医師の作成した治療計画やシミュレーションに納得できたら、契約して、治療を開始します。マウスピースの完成までにかかる期間はメーカーにより異なります。海外メーカーのものは約1ヶ月、国内製造のものは10〜14日程度で製作可能です。マウスピース完成までの期間は矯正開始時期に関わるため、希望がある場合はクリニックに確認しておきましょう。
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治療開始
クリニックにマウスピースが届いたら、矯正をスタートします。マウスピース矯正は自己管理が必要不可欠です。矯正中はクリニックや歯科医師の指示通りに取り扱う必要があります。注意事項などはしっかりと確認しておきましょう。
定期的に検診に通う必要があります。通院の目安はクリニックの方針や歯の動き具合により異なりますが、「1〜3ヶ月に1回程度」が一般的です。矯正開始直後は数週間に1回ほど通院し、徐々に間隔をあけていくことになります。
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治療完了(保定期間開始)
理想の歯並びになったら矯正治療が完了します。
また、保定期間は最低でも、矯正にかかった期間と同じ期間が必要です。歯並びの状態を確認しながら保定装置をつける時間を短くしていき、最終的には寝るときだけの装着となります。
マウスピース矯正の選び方
マウスピース矯正治療は、長期間にわたるのと、けっして安くない治療費がかかります。治療が始まってから後悔のないように信頼できる医師のいるクリニックを選びたいものです。
マウスピース矯正の治療を受けたいと思ったとき、どのように選べばいいのでしょうか。
安心して通えるクリニックの見つけ方を以下の3つのポイントをふまえて説明します。
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専門医の確認
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設備と技術
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口コミやレビューの活用
専門医の確認
専門医のいるクリニックを選ぶのもクリニック選びのポイントの1つです。矯正歯科治療の熟練度を示す指標として、日本の矯正歯科界を代表する学術団体である「日本矯正歯科学会」の「認定医」と「専門医」の認定資格を目安にするとよいでしょう。
設備と技術
歯列矯正のための設備が揃っていることもクリニック選びのポイントの1つです。
正確な診断を行うために3次元映像を撮影する「3DCT」という機器などの新しい機器はまだ導入されているクリニックは少数です。
設備投資などをしっかりと行っており、最新技術を駆使して正確な診断・治療を行っているクリニックであれば、専門性の高い矯正をしている可能性が高いでしょう。
口コミやレビューの活用
クチコミの信頼性は自己判断になりますが、投稿されている評価は比較に役立てることができます。クリニックを検索し、なるべく評判の良いところを選びましょう。
口コミや人気で評判となってるクリニックでは、ホームページ上で画像込みの症例紹介を行っていることが多いです。治療した人の感想や体験談と、ビフォーアフターがひと目でわかるだけでなく、主訴や治療にかかった費用なども知ることができ、貴重な情報といえます。
マウスピース矯正の注意点
矯正治療を受けるクリニック選びのポイントの次は、マウスピース矯正を始めるにあたっての注意点を確認しておきましょう。主な注意点は以下のとおりです。
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定期的な通院の重要性
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費用の確認
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治療期間の確認
定期的な通院の重要性
マウスピース矯正中は、定期的に通院し、専門のメンテナンスを受けることが大切です。マウスピース矯正中も、通常通り歯磨きができますが、セルフケアだけでは虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
口内の状態によって頻度は異なりますが、目安は3ヶ月に1回、通院日にあわせてメンテナンスの予約も入れておきましょう。
費用の確認
マウスピース矯正の治療費の相場は全体矯正で50〜100万円、部分矯正で10〜40万円かかります。
口内の状況やトラブルが起きると追加費用がかかることがあります。
マウスピース矯正で追加料金で発生しやすいケースは、虫歯や歯周病の治療費です。
虫歯や歯周病の治療に1回あたり1,000円〜3,000円ほどの費用が、矯正の料金に追加でかかることがあります。治療前に虫歯や歯周病と診断された場合、先に治してから矯正を進めることになり、別途で治療費が必要になるため注意しましょう。
マウスピース矯正を含めて、歯列矯正には矯正装置以外にも費用がかかります。
矯正にかかる費用の内訳は以下のとおりです。
タイミング |
内訳 |
値段(目安) |
矯正前 |
カウンセリング |
無料〜5,000円 |
精密検査・診察 |
10,000〜65,000円 |
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虫歯・歯周病治療 |
1,500〜10,000円/回 |
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抜歯 |
5.000〜15,000円/本 |
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矯正中 |
矯正費用 |
10万〜170万円 |
調整料 |
3,000〜10,000円/回 |
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矯正後 |
保定装置料 |
10,000〜60,000円 |
保定観察料 |
3,000〜5,000円/回 |
マウスピース矯正にかかる費用は、クリニックや採用するブランド・システムによって含まれる内容が異なります。矯正費用に含まれる範囲、追加で費用が発生するケースについて、カウンセリングや契約時によく確認しておきましょう。
治療期間の確認
治療期間は最初の歯並びの程度によって異なりますが、平均的な期間は2カ月〜1年です。矯正治療終了後、保定期間に入り、リテーナーと言われる後戻り防止装置を1年〜2年装着します。
治療期間の目安に幅があるのは、歯並びの悪さの度合いや治療の難易度によって期間が変動するためです。追加費用にも影響が大きい矯正期間内の虫歯や歯周病は、治療期間の延長の原因にもなります。
また、1日20時間以上の決められたマウスピースの装着が守られないと計画どおりに歯が動かず、矯正期間が延長になるので注意が必要です。
矯正器具の洗い方・ケア方法
マウスピース矯正治療でもっとも重要になるのは自己管理です。定期的にプロの検診を受け、専用の器具での口内洗浄を受けることも大切ですが、毎日の歯磨き習慣や1日20時間以上忘れずにマウスピースの装着を徹底する、日々の自己管理が大事です。
マウスピースを毎日清潔に保つことも重要です。マウスピースは正しく手入れをしないと虫歯や歯周病の原因になり、臭いの元になるからです。マウスピースの洗い方と注意点を説明します。
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マウスピースは毎日洗う
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マウスピースのお手入れ方法
マウスピースは毎日洗う
矯正用マウスピースは、毎日洗うことが大切です。
そんな口の中で使用したマウスピースは、細菌が繁殖し放題の状態です。細菌がついたマウスピースを歯にはめると、歯や歯茎に細菌を1日中住まわせることになり、虫歯や歯周病になりやすくなります。
マウスピースのお手入れ方法
マウスピースを歯から外したら、毎日、水かぬるま湯でよく洗いましょう。
マウスピースが変形してしまうため熱いお湯は使えません。
マウスピースは基本的に指で洗います。汚れが気になる場合は、マウスピースを傷つけないよう毛の軟らかい歯ブラシでやさしくこすりましょう。歯磨き粉に含まれる研磨剤でマウスピースが傷ついてしまうため、歯磨き粉は使わず、水のみで洗ってください。
2〜3日に1回は、マウスピース専用の洗浄剤(水溶液)に漬けます。指で洗っても取れない歯垢や着色汚れなどがついたときも洗浄剤を使用してみましょう。
いつも通りマウスピースを指でよく洗った後、仕上げとして洗浄剤に漬けます。指や歯ブラシでは取り切れなかった汚れを隅々までしっかり洗浄・殺菌できます。
マウスピース洗浄後はよく乾燥させます。濡れたままだと雑菌が繁殖し、においの原因となるからです。
まとめ
歯列矯正には使用する矯正装具の種類があり、それぞれにメリットやデメリットがあります。
マウスピース矯正の場合、マウスピースが透明でほとんど口元が目立たないところが最大のメリットともいえます。審美性に優れた点は、美容意識の高い方にとってうれしいポイントではないでしょうか。
口内の状態や症例によってどの矯正治療の方法が適しているかはご自身の希望や判断だけでなく、歯科医師の診断が必要です。
歯並びに悩んでいる場合や矯正治療をはじめたいと思ったら、「歯の総合予約サイト~BEAUTEETH」で自分に合ったクリニックを探し、カウンセリング相談してみるのも良いでしょう。
矯正治療ではデンタルローンや分割払いも可能です。
無理のない支払いをしながら、早くきれいな歯並びを手に入れられます。
今のうちからきれいになりたい、美容や見た目に気をつけていたい、接客業をしていて歯の色が気になる方は、ホワイトニングをしながらマウスピース矯正を始めることもできます。
せっかくなら、マウスピース矯正とホワイトニングを同時進行させて、お得にきれいな歯並びと白い歯を手に入れましょう。
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