インビザラインとは?おすすめできる人の特徴と治療できない症例も紹介

インビザラインは、世界で1,500万人以上の方が治療を受けているマウスピース矯正の一種です。透明の矯正装置を使用するため目立ちにくく、人目を気にせず歯列を矯正できます。

しかし、インビザラインの名称を聞いたことがあっても、他の矯正方法との違いや対応している症例を理解している方は少ないでしょう。

歯列の状態は人によってさまざまであり、インビザラインでは治療できない場合もあります。インビザラインを検討している方は「どんな人に向いていて、どんな場合に治療できないか」を知ることが大切です。

この記事では、インビザラインに対する理解を深めてから始められるように、治療の特徴や治療できない症例を紹介します。

 

インビザラインとはどんな矯正方法?

インビザラインは、アメリカのアライン・テクノロジー社が開発した歯列矯正の一種です。

透明で目立ちにくい矯正装置を使用するため、治療中も快適に過ごせます。他のマウスピース矯正とは異なり、3Dシミュレーションで緻密な治療計画を立てられるのが特徴です。

1999年にアメリカで販売開始以来世界中で延べ1,500万人以上が使用した実績があります。(2023年3月時点)

販売当初のインビザラインは軽度の歯列矯正向けでしたが、マイナーチェンジを重ねたことでより多くの症例に対応できるようになりました。

インビザラインには種類があるため、自分に合った治療を選択することが重要です。

参考:https://www.invisalign.co.jp/

 

インビザラインで歯が動く仕組みを紹介

歯列矯正では、歯を支える骨である歯槽骨に力を加えて歯を動かします。

インビザラインもワイヤー矯正も、歯を動かす仕組みは基本的に同じです。歯槽骨に力が加わると少しずつ位置が動く特性を利用しています。

インビザラインは矯正装置を装着するだけで矯正できるため、患者の負担が少ないのが特徴です。負担の少なさから「効果が弱いのでは…」と感じる方もいますが、仕上がりに大きな差はないとされています。

歯並びの程度によって適した治療方法が異なるので、医師のカウンセリングを受けましょう。

 

インビザライン治療をおすすめできる人の特徴8つ

インビザライン治療をおすすめできる方の特徴を8つ紹介します。

  • 目立たない矯正方法を探している
  • 食事やスポーツをこれまで通り楽しみたい
  • 矯正装置の日常的な管理が可能
  • 矯正中でも口の中の清潔さは気にしたい
  • 矯正時特有の喋りにくさを軽減したい
  • 忙しくて通院する時間がとりづらい
  • 金属アレルギーが心配である
  • ホワイトニングも同時並行で進めたい

目立たない矯正方法を探している

インビザラインは、目立たない矯正方法を探している方におすすめです。ワイヤー矯正とは違い、他人に気付かれにくく歯列矯正を完了できます。

インビザラインでは透明で薄い矯正装置を使用するため、近くで見ても目立ちにくいです。どうしても気付かれたくないなら、一時的に外すことも可能です。

ワイヤー矯正とは異なり、口元が盛り上がらないので見た目を気にしてストレスを溜めずに済みます。

人前に立つ仕事や接客業など、見た目を気にする職業の方でも安心です。

食事やスポーツをこれまで通り楽しみたい

インビザラインなら、食事やスポーツをこれまで通りに楽しめるのも魅力です。簡単に着脱できるので、食事やスポーツの際は矯正装置を外しておけます

ワイヤー矯正のように、食事によって矯正装置が外れる心配がありません。口の動かしにくさや、口内を傷つけるリスクがなく安心です。

中高生で部活動が盛んな時期にはスポーツのときだけ外す、楽器を吹くときだけ外すなど臨機応変に着脱できます

矯正装置の日常的な管理が可能

矯正装置の日常的な管理が可能な方には、インビザラインによる歯列矯正が向いています。

インビザラインでは装置の装着時間を守り、交換時期も自分で管理しなければなりません。医師の指示通りに管理できていないと、本来の効果が見込めない可能性があります。

インビザラインで歯列矯正を行うなら、1日20時間の装着と1〜2週間に一度の交換をしっかり守ることが大切です。

また、矯正装置は治療開始時にまとめて受け取るので、ストック分の管理も徹底しましょう。

矯正中でも口の中の清潔さは気にしたい

インビザラインは、矯正中でも口の中の清潔さを気にしたい方におすすめです。

矯正装置の着脱が可能であり、従来通りに歯磨きを行えます。ワイヤー矯正のように磨きにくさを感じることもなく、装置によって虫歯や歯周病のリスクが高まることもありません

また、装置自体も洗え、ドラッグストアではアライナー洗浄剤が手に入ります。歯の動きに合わせて1〜2週間で新しい矯正装置に交換するので、常に清潔な状態を保てるでしょう。

矯正時特有の喋りにくさを軽減したい

インビザラインは、矯正時特有の喋りにくさを軽減したい方にも適しています。

歯列矯正に使用する装置の厚みは0.5mm程度であり、表面は滑らかです。発声や発音を邪魔することがなく、今までに近い感覚で会話を楽しめます

治療を開始してすぐは、口元に違和感を抱くかもしれません。しかし、1ヶ月前後で慣れるので安心してください。

矯正装置への違和感がなくなる頃には、喋りにくさも軽減されるでしょう。

忙しくて通院する時間がとりづらい

インビザラインなら、忙しくて通院する時間がとりづらい方でも治療を受けられるので安心です。

治療に使用する矯正装置は一度の型取りで作成され、まとめて受け取れます。頻繁に通院する必要がないので、普段から仕事や学業で忙しい方におすすめです。

歯列の状態によりますが、通院の頻度は約6週間に1回となっています。また、歯列矯正が順調に進んでいれば、2〜3ヶ月に1回の通院まで緩和できるでしょう。

忙しくて時間がとれないと悩む方は、インビザラインを検討してみてください。

金属アレルギーが心配である

金属アレルギーが心配な方が歯列矯正を希望するなら、インビザラインがおすすめです。

インビザラインの矯正装置には、医療用プラスチックが使用されています。金属を一切使用しておらず、ワイヤー矯正で起こり得る金属負けの心配がありません

また、インビザラインで矯正したあとに歯の戻りを防ぐリテーナー(保定装置)にも、金属を使っていないものがあるため安心です。

金属アレルギーの症状が出たことのある方や、金属アクセサリーが苦手な方は専門家にカウンセリングを依頼してみましょう。

ホワイトニングも同時並行で進めたい

インビザラインは歯のホワイトニングも同時並行で進めたい方へおすすめです。特に自宅で行うホームホワイトニングと相性が良いでしょう。

クリニックで処方された薬剤を矯正装置に流し込んで2〜3時間装着する方法なので、別々で行うよりも時間がかかりません

自宅で好きな時間に行えるため、通院する時間がとりづらい方にもおすすめです。

ただし、ホワイトニングを始めるタイミングは、歯列矯正が進み保定期間に入ってからが良いでしょう。ホワイトニングも同時に行いたい方は、医師のカウンセリングを受けてみてください。

 

インビザライン矯正にかかる費用相場

  全体矯正 部分矯正
インビザライン矯正 60万円~100万円 10万円~40万円
ワイヤー矯正 表側矯正:60万円〜130万円

裏側矯正:100万円〜170万円

表側矯正:30万円〜60万円

裏側矯正:40万円〜70万円

インビザライン矯正にかかる費用相場は、全体矯正で60万円〜100万円、部分矯正で10万円〜40万円が一般的です。

インビザラインは3Dシミュレーションを使って緻密な治療計画を立てるため、治療を開始する前に費用感の目処が立ちやすくなっています。

また、ワイヤー矯正にかかる費用相場は全体矯正が60万円〜170万円、部分矯正が30万円〜70万円です。

双方の費用相場に大きな差はなく、軽度〜中度の歯列矯正であればインビザラインのほうがワイヤー矯正よりも安くなる場合があります。

自分にインビザライン矯正が合っているかを確認するため、まずは医師のカウンセリングを受けるのがおすすめです。

関連記事:インビザラインの費用はいくらかかる?安く抑えるポイントも紹介

【注意】インビザラインだけでは対応できない症例もある

インビザラインだけでは対応できない症例について紹介します。

  • 歯並びが特に悪い部分がある・あごのずれが大きい
  • 重度の歯周病にかかっている
  • インプラント治療を行っている

歯並びが特に悪い部分がある・あごのずれが大きい

インビザラインは、歯並びの状態が悪い場合やあごのずれが大きい場合に使用できません。

パターン 状態
出っ歯 上下顎が前後に大きくずれている・下あごが小さい
受け口 上下顎が前後に大きくずれている・下あごが大きい
要抜歯 前歯が内側に倒れこむリスクや噛み合わせが深くなるリスクがある
埋伏歯 歯が埋まっている状態で矯正装置がかぶさらない

出っ歯や受け口は、上下のあごが大きくずれているケースです。あごのずれが大きいと、骨格自体を矯正しなければなりません。

歯列矯正で抜歯が必要な場合、歯の移動距離が長くなるのでインビザラインによる治療は不向きです。無理に行うと前歯が内側に倒れ込んだり、噛み合わせが深くなったりする可能性があります。

また、歯が歯茎に埋まっている状態では、短い歯に矯正装置を被せられません。

インビザラインで効果が見込めるかを見極められる医師にカウンセリングを依頼することが大切です。

重度の歯周病にかかっている

重度の歯周病にかかっている場合、矯正中に歯が抜けるリスクがあるのでインビザライン矯正ができません。

矯正中にプラークが溜まると歯周病を悪化させます。歯が矯正でかかる圧力に耐えられず抜けるおそれがあるので、重度の歯周病への歯列矯正はNGです。

歯列矯正の前に歯周病の治療を済ませていれば、インビザライン矯正を行っても問題ありません。ただし、インビザラインのみの治療よりも費用と期間がかかってしまいます。

インプラント治療を行っている

インプラント治療を行っている場合も、インビザラインでは対応できません

インプラントは歯が失われた部分のあごに人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を取り付ける治療です。人工歯根には矯正時の圧力が伝わる歯根膜がなく、歯を動かせません。

インプラント治療と歯列矯正を同時に希望する場合は、先に歯列矯正を行ってからインプラント治療を始めるのが良いでしょう。

また、歯列矯正に関係がない歯のインプラント治療は同時に行えますが、担当医へのカウンセリングを受けて意見を仰ぐことが必要です。

 

後悔する前に要確認!インビザラインで気を付けること3点

インビザラインで気を付けることを3点紹介します。

  • きちんとはめなければ意図しない方向へ動かしてしまう
  • 矯正装置の追加発注には別途で料金がかかることもある
  • 歯列が乱れた原因を知らないと治療後に戻る可能性がある

きちんとはめなければ意図しない方向へ動かしてしまう

インビザラインはきちんとはめなければ、意図しない方向へ歯を動かすリスクがあるので要注意です。

インビザラインを装着する際には、チューイーという装置を使います。チューイーは矯正装置を歯にフィットさせるための補助器具です。チューイーの使用によってマウスピース矯正の効果が発揮されます。

意図しない方向へ動いた歯をもとに戻すのは難しく、時間がかかります。矯正の効果が見込めるように、装置をきちんとはめることが大切です。

矯正装置の追加発注には別途で料金がかかることもある

矯正装置の追加発注には、別途で料金がかかることもあるので気を付けましょう。

装置の紛失や管理不足による不適合によって、追加発注が生じると別途料金を請求される可能性があります。定期での来院がない場合や、チューイーの不使用が原因の場合も同様です。

追加発注が必要になると、1回につき2万円前後の費用がかかります。できるだけ費用を抑えるために、装着方法や装着時間を守ってください。

歯列が乱れた原因を知らないと治療後に戻る可能性がある

歯列が乱れた原因を知らないと、治療後に戻る可能性があるので注意しましょう。

せっかく歯列矯正が完了しても、後天的に歯列が乱れていた場合は矯正前の状態に戻る可能性があります。

歯列が戻る可能性がある後天的な原因は以下のとおりです。

  • 舌癖が悪い
  • 頬杖をよくつく
  • 噛み癖がある
  • 寝方が悪い
  • 口呼吸をよくする

後天的な原因で歯列が乱れていると、歯列矯正だけでは改善できない場合があります。歯列が乱れた原因を把握して、改善に努めることも大切です。

 

インビザラインを安心して任せられる歯列矯正医の選び方

インビザラインは、医師の技術が仕上がりを左右します。仕上がりに納得するためには、安心して任せられる矯正医を選ぶことが大切です。

医師を選ぶ際のポイントを紹介します。

  • インビザラインの症例数が多く、似たような歯列の成功事例がある
  • 気になる部分のみを動かす部分矯正にも対応している
  • 抜歯やワイヤー併用など状況に合わせて柔軟な治療法を提案してくれる
  • 治療期間や費用、リスク面などを最初から丁寧に説明してくれる

医師を選ぶ際には評判だけでなく、治療の技術・経験も重視してください。経験豊富な医師に任せれば、歯列の状態に合わせて柔軟に提案してくれます。

また、インビザラインのメリットだけでなく、リスク面も丁寧に説明してくれる医師であれば信頼できるでしょう。

 

インビザラインを理解して歯列矯正を検討しましょう

インビザラインは矯正中であることが目立ちにくく、装着中の不快感も軽減されています。そのため、歯列矯正を知られたくない方におすすめです。

マウスピース矯正にかかる費用は10万円〜100万円と、ワイヤー矯正より安いのも魅力です。

ただし、歯列の状態や歯周病の有無によっては、矯正を受けられないケースがあります。インビザラインを検討している方は、施術内容や特徴を理解することが大切です。

インビザライン矯正を希望している方は、「歯科総合予約サイト~BEAUTEETH」のショート動画を参考にして信頼できるクリニックを探しましょう。