インビザラインと他のマウスピース矯正との違いを観点別に比較!種類やおすすめしないケースも紹介

インビザライン矯正は、アメリカのアライン・テクノロジー社が開発する透明素材の矯正装置で歯並びを整える治療方法です。

近年ではさまざまな歯列矯正の方法があり、それぞれメリットや費用が異なります。しかし、種類が多くて違いがよくわからず、どれを選ぶべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、歯列矯正の種類が気になる方向けに、インビザライン矯正と他のマウスピース矯正の違いを比較して紹介します。

それぞれの歯列矯正の違いを理解して、自分に合った矯正方法を見つけてください。

 

【比較表】インビザラインと他のマウスピース矯正との違い

インビザライン矯正と他のマウスピース矯正には多くの違いがあります。以下に交換頻度や通院間隔、費用感などを表でまとめました。

項目 インビザライン その他のマウスピース矯正
治療の精度 非常に高い。 精度にばらつきがある。
歯型を取る方法 光学スキャナーを1回行うのみ。 型取り用の柔らかい素材(シリコンやアルジネートなど)を口腔内に入れ、固まるまで待つ。型取りは何回か行う必要がある。
対応可能な症例 重度の出っ歯、受け口、すきっ歯、八重歯、叢生、不正咬合、後戻り、抜歯を伴う症例 軽度の歯並びの乱れや前歯のみの軽い矯正
対象年齢 7歳以上から可能 永久歯が生えそろったら可能(おおよそ12歳前後)
マウスピースの枚数 50枚程度 数枚程度

(治療状況により異なる。)

交換頻度 10日~2週間に1回 1~2週間に1回
通院回数 2ヶ月に1回 1~3ヶ月に1回
費用感 全体矯正:60万円~100万円

部分矯正:10万円~40万円

軽度:10万円~15万円

中度:15万円~20万円

重度:20万円~30万円

支払方法 現金、クレジットカード、デンタルローンなど各クリニックで異なる。 現金、クレジットカード、デンタルローンなど各クリニックで異なる。

インビザラインと他のマウスピース矯正との違いを観点ごとに紹介

インビザライン矯正は、マウスピース矯正治療の一種です。インビザライン矯正は新しい技術を用いた治療方法であり、他のマウスピース矯正と治療の精度や対象年齢などが異なります。

  • マウスピース矯正:マウスピース型の装置を使って歯を動かす矯正方法
  • インビザライン矯正:歯型の3D画像をデータ化して最適な治療計画を立てる矯正方法

この章ではインビザライン矯正と他のマウスピース矯正との違いを観点別に紹介します。

治療の精度

インビザライン矯正と他のマウスピース矯正の大きな違いは治療精度の高さです。

マウスピース矯正は、技工士の技術によって仕上がりにばらつきが発生するため、インビザライン矯正ほどの精度がありません。

一方でインビザライン矯正では、口腔内スキャナーで撮影した歯型をもとに精密な3Dシミュレーションを行い、治療計画を立てます。

立体的に口腔内を撮影して歯列がどのように移動するかを予想するため、具体的な治療計画を立てやすく期待できる結果を得やすいのが特徴です。

歯型を取る方法

インビザライン矯正と他のマウスピース矯正では歯型を取る方法が異なります。

インビザライン矯正では、iTeroという光学スキャナーを用いて口腔内をスキャンし、歯型をデジタルデータとして取得します。歯型の採取は最初の1回だけで済むのも嬉しいポイントです。

一方でマウスピース矯正は、シリコンやアルジネートなどの型取り用の柔らかい素材を口腔内に入れて歯型を採取します。治療途中で歯並びに変化があった場合は再度歯型を採取するため、型取りは何度か必要です。

対応可能な症例の幅

インビザライン矯正と他のマウスピース矯正では、対応可能な症例の幅が異なります。

マウスピース矯正は軽度~中度の歯並びの乱れや前歯の軽い矯正に適しており、大規模な歯の移動を必要としない症例に有効です。

一方でインビザライン矯正は重度の出っ歯、受け口、すきっ歯、八重歯、叢生(そうせい)、抜歯を伴う症例など複雑な不正咬合(ふせいこうごう)にも対応できます。

対象年齢

インビザライン矯正とマウスピース矯正は対象年齢が異なります。

マウスピース矯正は主に成人向けであり、永久歯が生え揃った12歳前後からが対象です。

一方でインビザライン矯正は子供向けに設計されたインビザライン・ファーストと呼ばれる装置があり、7歳以上で矯正治療を行えます。

成人にも高い精度で治療が行え、幅広い年齢層に対応していることがインビザライン矯正の強みです。

マウスピースの枚数・交換頻度

インビザライン矯正と他のマウスピース矯正では、矯正装置の枚数と交換頻度が異なります。

マウスピース矯正では、治療の進行状況に合わせて装置が都度作成されます。通常1ヶ月程度で交換し、治療期間の全体で作られるマウスピースは数枚です。

一方インビザライン矯正では、個別の治療計画に基づいて50枚程度の矯正装置がまとめて用意されます。そして、10日〜2週間ごとに装置を交換していきます。

お手入れ・洗浄方法

インビザライン矯正とマウスピース矯正のお手入れ・洗浄方法に関して、大きく異なる点はありません。

インビザライン矯正も他のマウスピース矯正も日常のお手入れは、装置を外して柔らかい歯ブラシで歯石や汚れを除去します。専用の洗浄剤を用いることで、より効果的に汚れを落とすことも可能です。

インビザライン矯正では10日〜2週間ごとに装置を交換します。そのため、他のマウスピース矯正に比べて衛生面を保ちやすいことが強みです。

通院回数

インビザライン矯正とマウスピース矯正では必要な通院回数が異なります。

マウスピース矯正は、治療途中で新しい歯型を採取して新しい装置を作成する必要があるため、1ヶ月に1回程度の通院が必要です。

一方、インビザライン矯正は治療開始時の歯型採取のみで複数のマウスピースが作られるため、通院は2〜3ヶ月に1回程度で済みます。

インビザライン矯正は他のマウスピース矯正に比べて通院回数が少ないため、時間や交通費などの負担も少なく済むことが強みです。

インビザラインと他のマウスピース矯正の費用面の違いは?

インビザライン矯正と他のマウスピース矯正は価格が大きく異なります。

インビザライン矯正は多くの矯正装置を作成するため、全体矯正で70万円〜100万円、部分矯正で10万円〜40万円とやや高価です。

一方で他のマウスピース矯正は軽度の場合は10万円〜15万円、重度でも20万円〜30万円とインビザライン矯正に比べて安価で済みます。

矯正方法 費用
インビザライン 全体矯正:60万円~100万円

部分矯正:10万円~40万円

他のマウスピース矯正 軽度:10万円~15万円

中度:15万円~20万円

重度:20万円~30万円

インビザラインと他のマウスピース矯正の治療の流れの違い

インビザライン矯正と他のマウスピース矯正の治療の流れはほとんど同じです。治療を始めたい場合は、どちらの矯正もカウンセリングを受けてから精密検査を行います。

  1. カウンセリング
  2. 口腔内の精密検査
  3. 歯型の採取
  4. 治療計画・費用の説明
  5. 矯正装置の作成
  6. 定期的なメンテナンス・調整

インビザライン矯正と他のマウスピース矯正の治療の流れで大きく異なる点は歯型の採取方法です。

インビザライン矯正の歯型採取は光学スキャナーを一度行うのみで済みます。

一方、他のマウスピース矯正では歯並びが動く度、型取り用の柔らかい素材を口腔内に入れて歯型を採取するため、何回か通院が必要です。

矯正装置の仕様や交換の頻度などはブランドや製造元によって異なるため、治療計画と費用の説明の際に確認しましょう。

 

インビザラインと他のマウスピース矯正の治療期間の違い

インビザライン矯正と他のマウスピース矯正の治療期間は大きくは変わりません。治療期間の違いは全体矯正か部分矯正かによります。

マウスピースの仕様やブランドによっても期間は異なるため、治療期間の目安はカウンセリングと治療計画の説明の際にしっかりと確認しておきましょう。

矯正方法 治療期間
インビザライン 全体矯正:1~3年程度

部分矯正:2ヶ月~1年程度

他のマウスピース矯正 <表側矯正>

全体矯正:1~3年程度

部分矯正:2ヶ月~1年程度

<裏側矯正>

全体矯正:2~3年程度

部分矯正:5ヶ月~1年程度

他のマウスピース矯正と比べてインビザラインをおすすめしないケース

他のマウスピース矯正と比べてインビザライン矯正をおすすめしないケースは以下の場合です。

  • 値段をなるべく安く抑えてマウスピース矯正がやりたい
  • まとまった支出を避けて都度払いで治療していきたい
  • 対応できる歯科医院が近くになく通院にかなりの手間を要する

インビザライン矯正は他のマウスピース矯正と比べて、費用面でおすすめしないケースがあります。値段をなるべく抑えて矯正治療をしたい方や都度払いで治療をしたい方には、インビザライン矯正以外の治療方法がおすすめです。

また、対応できる歯科医院が近くになく、2〜3ヶ月に1回の通院でもかなりの手間を要する場合にもおすすめはしません。対応できる歯科医院が近くにない場合は、オンライン診療に対応しているクリニックを選ぶと通院の負担を軽減できます。

関連記事:【完全網羅】インビザラインできない人7選

インビザライン以外のマウスピース矯正の種類

インビザライン矯正以外のマウスピース矯正の種類について調査したところ、公式ホームページが存在するマウスピース矯正だけでも12種類ありました。

上場企業が取り扱っているマウスピースは「シュアスマイル」を取り扱うデンツプライ・シロナ社(NASDAQ)と「エンジェルアライナー」を取り扱うエンジェルアライン・テクノロジー社(香港株式市場)の2社のみです。

また、マウスピース矯正を行った患者数を公表しているのも、この2社のみになります。

マウスピース矯正の種類 メーカー
インビザライン 米国アライン・テクノロジー社
キレイライン heepMedical Technologies株式会社
AsoAligner®(アソアライナー) 株式会社アソインターナショナル
ホワイトライン アッパーライズプラス株式会社
Oh my teeth(オーマイティース) 株式会社Oh my teeth
hanaravi(ハナラビ) 株式会社DRIPS
hanalove(はならぶ) Deltan株式会社
DPEARL(ディパール) 株式会社フィルダクト
SureSmile(シュアスマイル) デンツプライ・シロナ
GalaxyAlign 株式会社フォレスト・ワン
シースルーアライナー シースルーテック株式会社
Angel Aligner(エンジェルアライナー) エンジェルアライン・テクノロジー

マウスピース矯正の種類選びに迷ったら医師の意見を仰ぎましょう

インビザライン矯正をはじめ、マウスピース矯正の種類選びに迷ったらまず医師のカウンセリングを受けましょう。

インビザライン矯正と他のマウスピース矯正の費用や通院頻度などの違いを説明してくれるかや、自分自身に向き合い丁寧な対応を取ってくれるかがクリニック選びのポイントです。

治療方法の選択肢が複数ある場合は、それぞれのメリット・デメリットを説明してもらい比較検討しましょう。

歯の状態や費用面を考えるとインビザライン矯正より他のマウスピース矯正が好ましいケースもあります。正式な治療方針と費用を知るには精密検査を受ける必要がありますが、カウンセリングでもある程度の費用は把握できます。

まずはカウンセリングに足を運び、歯の状態から自分に合ったマウスピース矯正を提案してもらいましょう。

インビザラインと他のマウスピース矯正との違いを理解して比較検討しましょう

インビザライン矯正は他のマウスピース矯正に比べてやや高価ですが、通院の少なさと治療精度の高さが強みです。また、治療の適応範囲が広く、幅広い症例と年齢の方に対応しています。

しかし、費用がやや高額なため、できる限り費用を抑えて矯正したい方は他のマウスピース矯正の方が適している場合があります。

まずは、インビザライン矯正と他のマウスピース矯正の違いを理解した上で、医師のカウンセリングを受けてみましょう。費用の概算と治療方針を丁寧に説明してもらえます。

インビザライン矯正をはじめマウスピース矯正が気になった方は、「歯の総合予約サイト〜BEAUTEETH」のショート動画を参考にし、自分に合ったクリニックを探してみてください。